【コブスくんのモテ男道!】どうすれば美術館を楽しめる? 初心者でも分かる芸術作品の見方
特に旧約聖書の創世記や、新約聖書冒頭の4つの福音書を読んでおくと、作品の背景にどんな物語があるのかを知ることができるのでお薦めです」
――それでは風景画や人物が描かれている絵画については、どのような解釈ができますか?
木川先生「例えば17世紀のオランダ絵画で少女が読んでいる手紙は、ラブレターであったと考えられています。このように描かれているものの動作やしぐさが象徴するものを読み取ることで、作品を理解する方法もあります。図像学を扱った本を見ながら作品を解釈するのもいいかもしれません」
――絵の横に書かれているキャプションや解説書を読むことも重要でしょうか?
木川先生「もちろんそれである程度のことは理解できます。ただし注意したいのは、その解釈が本当に正しいとは限らないということです。あまり解釈にこだわりすぎると、美術館へ行っても、その作品が持つ本来の力を感じることなく、解説だけ追っているということになりかねません。むしろ事前の知識や先入観がない方が、研究者とは異なる斬新な視点で作品を見ることができる場合もあるので、固定概念を持ち過ぎないほうがいいですね。個人的には率直な感想を参考にしたいので、美術館で人の会話に耳をそばだてているくらいですよ」