【コブスくんの使えそうな仕事術】岡田斗司夫の新理論、「評価経済社会」とは?
――評価を稼ぐのが難しい場合はどうなるのでしょうか。誰しもが他人から「いい人」と評価される行動や言動ができるわけではないと思うのですが……。
「誤解してほしくないのは、いい人『戦略』であって、いい人にならなければいけないわけではありません。
私たちは現状、さまざまなコミュニティに所属して、そこでの人格を持っています。あるコミュニティで評価を得るためにした行動でストレスがたまったら、別のコミュニティで発散すればいい。友人や恋人に愚痴を言うとか、息抜きの場所はいろいろあると思います」
――社会福祉はどうでしょうか。評価もお金も稼げない、困窮者に対する救済措置はあるのでしょうか?
「いい人戦略が肝になると思います。現時点で具体的な解決案は出ていませんが、支援団体に評価が集まったり、コミュニティ単位での支援など、救済を必要とする人に手が届きやすくなるという希望はあると思います」
■評価経済社会はすでに始まっている
お話を聞いての結論は、評価経済社会は確かに来ているというものです。
ただし別の意味で。
経済が交換の仕組みである以上、評価を前提としています。つまり評価経済社会はずっと続いていて、モノを流通させる媒介物であると同時に資本でもあった貨幣の評価が下がりつつあるいま、新たな局面に進んだといえます。