【エンタメCOBS】江戸の名物で今も残っている絶品な味
天野屋さんはその始まりが面白く、初代はもともと、京都丹後の人であったのですが「敵討」(かたきうち)のために江戸へ出てきます。
神田明神は「江戸総鎮守」とされた信仰を集めた神社で、多くの参詣者でにぎわっていました。ここで見張っていればいつかかたきに巡りだろうとお店を出したのです。結局、敵討は果たせなかったのですが、そのおかげで私たちは今も美味しい甘酒を飲めるわけです。
■味わい深い羽二重団子
甘味をもう1つ。素朴な味がたまならない日暮里の「羽二重団子」(はぶたえだんご)です。今では株式会社になっており株式会社羽二重団子ですが創業は文政2年(1819年)。初代庄五郎が芋坂(旧王子街道)に『藤の木茶屋』を出したのがその始まりとされています。
餅のきめがとても細かく「まるで羽二重のようだ」と称されたのがそのまま名前になりました。創業以来、しょうゆ味とあんの2つのみ。193年支持されている味なのです。
■もぐさの名店『釜屋もぐさ本店』
最後にちょっと変わったものをご紹介します。「もぐさ」です。最近では『せんねん灸』のような簡易なものが発売されていますが、おきゅうと言えばもぐさを手でつまみ、患部に盛って線香で火をつけるものでした。