「うつ」の恋人にはどう接したらいい?ワガママと障害の境界線も解説
11月9日、映画『生きてるだけで、愛』が公開されました。
原作は、小説家・劇作家・演出家としてマルチに活躍する本谷有希子さんの同名小説で、うつ病の人が抱える思いや葛藤をつまびらかに描いた作品だと、話題になっています。
■「当たり前」のことができない苦しみ
主人公の寧子(趣里さん)は合コンで出会った津奈木(菅田将暉さん)の家に転がり込み、同棲しています。
うつ病による過眠症を患っていて、どんなに早く寝ても起きるのは午後。そのため、まともに働くことができず、ひきこもる日々を送っています。
出版社でゴシップ誌の編集をしている津奈木は、寡黙な性質。いつも言葉少なに寧子に接するのですが、彼女はそんな津奈木の態度に不満を抱えていました。
ある日、「津奈木とヨリを戻したい」と元カノの安堂(仲里依妙さん)が訪れます。
スーツが似合うキャリア系の安堂から見ると、寧子はただ自堕落で甘えているだけの女性。「人間として最低」などと激しく非難します。
うつの苦しみ、過眠症のつらさなどわからないくせに…と思いながらも、寧子は言い返せません。それは心の中に、自分も「普通」になりたい「ありきたりな社会人」