ときめき度120%!腐女子じゃなくても楽しめる…ソフトBLに学ぶ「恋愛の自由さ」
◆『失ショコ』に通じる切ない片思い
『窮鼠はチーズの夢を見る』
まずご紹介したいのは、『失恋ショコラティエ』の作者でもある水城せとなさんによる『窮鼠はチーズの夢を見る』。ごく普通のサラリーマンであるノンケの大伴恭一(妻帯者)と、その大学時代の後輩でゲイの今ヶ瀬渉との恋愛模様を描く作品です。
今ヶ瀬は非常にイケメンですが、恋愛対象は男性で大伴にずっと想いを寄せており、あるキッカケから大伴に体の関係を迫るように…。
と聞くとキワドいシーンばっかりの漫画に思えるかもしれませんが、これ、あくまで純愛です。何しろゲイの今ヶ瀬がノンケの大伴に必死で恋する姿は、そこらの恋愛よりよっぽど切ない。
『失恋ショコラティエ』にも通じる、報われる見込みの薄い片思いの風景は、恋をしている人ならどっぷり浸かってしまうはず。男同士であることを越えて、今ヶ瀬に共感せずにいられないのです。
男同士のカップルに対する周囲の反応も描かれ、一筋縄ではいかないわけですが、次第に大伴が今ヶ瀬を受け入れていく様子は、水城さんのアーティスティックな絵柄も相まって非常に美しい物語を織りなします。
恋をしたら性別という枠に捕らわれる必要はないのかもと思わされるあたり、BLへの導入にオススメ。