『あしたは最高のはじまり』はフランス発の笑って泣ける感動ムービー - 古川ケイの「映画は、微笑む。」#21
クリスティンと関係を持ったことすらよく覚えていないサミュエル。しかし、クリスティンは「あなたの娘、グロリアよ」と赤ちゃんを託し、慌てるサミュエルを置いて去っていくのだった。
サミュエルは、慌ててその足でクリスティンを追いかけるが、彼女はそのままロンドン行きの飛行機に乗ってしまう。
すぐに自分もロンドンへと追いかけるが、クリスティンを見つけることはできず、フランス語も通じない土地で立ち往生してしまう。
そんなサミュエルを救ったのは、ロンドンの地下鉄で出会った、TVプロデューサーでゲイのベルニーだった。
――それから8年。
ベルニーにスタントマンとしての素質を見出されたサミュエルは、彼の部屋に居候させてもらいながら、スタントの仕事で活躍するようになっていた。また、サミュエルとベルニー、2人3脚の育児によって、8歳になったグロリアは聡明な少女へと成長したが、いつもママに会いたいと懇願していた。
そんなグロリアに、サミュエルはクリスティン(母)のふりをして嘘のメールを送り続けていた。そんなある日、本物のクリスティンからグロリアへ「明日会いに行く」という連絡がきて――。
◼︎ロンドンの美しい景色に思わずため息
本作でまず目を引くのは、ロンドンの美しい景色です。