世の中から小さな“嫌い”をなくしたい――シャンデリアアーティストが作品に込めた想い
実は、私も「多様性」を作品のコンセプトにしていて……。ボーダレスとかジェンダーレスとか、そういったものを作品のテーマにしているんです。
こういった作品に使うアイテムは“モノ”なんですけど、私としては“人”として扱っています。
世界にはいろんな性別や人種の方々がいる。そこに違いはあるけれど、ひとつの作品になることで新しい調和が生まれるのだと、作品を通して伝えたいんです。だから、一見交わらないようなアイテム同士を組み合わせたり。
根底にあるのは、「立場」や「性別」、「人種」が違っても、お互いを認め合うことができる世界観なんです。
■自分の周りから少しずつ、世界を良くしていきたい
――そういった想いはいつから?
最近までは感覚で作品を作っていたんです。そもそも自分のことを言葉にすることや相手に伝えることがあまり得意ではなくて……。
でも、2年前くらいに個展を開いたとき、「どうしてこういった作品を作ってるのか?」という質問を多く受けて。それで、原点を振り返ってみると、やっぱり“自分が育ってきた環境”っていうのがあるんです。
私は在日朝鮮人で、子どものころから差別を受けてきました。