俳優・木村拓哉の再生が見られる作品に注目――『~BG身辺警護人~』
(オレ)歳だけは食ってるから』なんて自虐的な台詞を口にするかと思うと、若手から『それ、マイナスでしかないんですけど』なんて、ナメたことを言われて」
バ「あげく斉藤工(たくみ)演じる高梨からは『オッサン』呼ばわり。いつものキムタクなら『ちょ待てよ!』と反抗すべきところが、あっさり受け入れてしまう」
耳「ひさしぶりに観るキムタク。両頬にくっきり肉割れの線なんか入っちゃって、オッサンと呼ばれても仕方ない老いがあらわに。だからといって、SMAP解散騒動で大バッシングを受ける以前のキムタクなら、ありえない脚本ですよね」
■平凡な中年男だけど有能、誠実。あらたなヒーロー像がここに
バ「たしかに。でもなんだろう、パーフェクトなヒーローを降りたキムタクが、妙にいい味なんだな。『BG』のキムタクは、ごく普通の中年男。思春期の息子とうまく関わる器用さがないし、職場で尊敬を集めるリーダーってわけでもない。
平凡な中年男なんだけど職能は高くて、クライアントや同僚など、誰に対してもちゃんと誠実に向き合う。時折やさしい人間性が顔を覗かせる」
耳「あ。第2回のオンエアでもやさしさがわかるシーンがありましたよね。キムタクが取り押さえた犯人を警察が手荒く連行するんだけど、その様子を見送りながらぽそっとつぶやくんです。