『隣の家族は青く見える』母の「呪い」を乗り越えろ、それぞれの幸せのために
早く結婚してちょうだい」
これはゲイであることをひた隠しにしている渉(眞島秀和)の母・ふみ(田島令子)の言葉。渉の隣には朔(北村匠海)がいたが、ふみは2人が付き合っているなんて知る由もない。ふみのこうした態度が、渉の煮え切らない態度を生み出しているのだろう。
第7話に登場した深雪(真飛聖)の母親・百合恵(多岐川裕美)は、
「あなたは受験に失敗したところから、人生狂ってしまったから」
とさりげなく言い放つ。
娘の受験に狂奔する深雪の態度は、間違いなく百合恵の影響によるものだ。
古くて強い価値観が、キャタピラのようにメリメリと新しくてナイーブな価値観を踏み潰していく。母たちの言葉は「呪い」にも見える。新しい世代が自分の幸せを獲得するには、まず彼女たちの強い影響から脱する必要がある。
「私もお父さんも、奈々ちゃんのこと大好きなのよ。奈々ちゃんが大器のお嫁さんになって、本当に良かったと思ってんの。だから、子どもができようが、できまいが、そんなことどうだっていいの。あんたたちが幸せで暮らしてれば、それでいいのよ」
人工授精を続けて失敗して「妊活クライシス」に陥っている奈々(深田恭子)