『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』ハッピーエンドさえ凌ぐラスト85秒を見逃すな 古川ケイの「映画は、微笑む。」#49
と、フロリダのディズニー・ワールドのすぐ外側にある、安モーテル”マジック・キャッスル”で暮らしている6歳のムーニー(ブルックリン・キンバリー・プリンス)は、元気いっぱいのいたずらっ子。
ディズニー・ワールドに入るチケットはなくても、同じモーテルに暮らす仲良しの男の子スクーティや、隣のモーテルに越してきた同い年ぐらいの女の子ジャンシーと遊ぶ日々は、楽しいことで溢れていた。
だが、シングルマザーのヘイリーは、ちょうど仕事を失ったばかりで、なかなか次の職を見つけることができない。
ダイナー(北アメリカに特有のプレハブ式レストラン)で働くスクーティの母親・アシュリーからワッフルを提供してもらったり、リゾートホテルの間で偽物の香水を売ったりしながら、なんとか日々のモーテル代を工面していた。
だが、ある出来事をきっかけに、アシュリーは息子のスクーティにムーニーと遊ぶことを禁じてしまう。ワッフルの提供も拒否され、香水売りの仕事も取り締まられと、徐々に追い詰められていったヘイリーは、愛するムーニーとの暮らしを続けるために、ある決意をして……。
◼︎注目は、モテールの管理人ボビーを演じたウィレム・デフォー
本作で、脇役ながら見事な演技を見せ、アカデミー助演男優賞にもノミネートされたのは、モーテルの管理人・ボビーを演じたウィレム・デフォーです。