『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』ハッピーエンドさえ凌ぐラスト85秒を見逃すな 古川ケイの「映画は、微笑む。」#49
いたずらを繰り返すムーニーたちに「次は出て行ってもらうぞ」などと口うるさく叱りつけるボビーですが、一方でモーテルの側をうろつく不審者などの危険から子どもたちを守ろうとします。
これまでに100本以上の映画に出演し、本作で三度目のオスカーノミネートとなったベテラン俳優ウィレム・デフォーが、哀愁たっぷりに演じたボビーは、本作の見どころのひとつと言えるでしょう。
◼︎インスタグラム出身の新星ブリア・ヴィネイトが可愛い!
本作で、水色の髪のシングルマザー・ヘイリーを演じるのはリトアニア共和国生まれの新星ブリア・ヴィネイトです。
6歳でNYに移住したブリアは、19歳で復職デザインを始め、商品のほとんどを彼女自身が手作りして販売する「ChroniCal NYC」を立ち上げました。
そんなブリアを、本作の監督ショーン・ベイカーは、なんとインスタグラムから見つけ出し、ヘイリー役をオファー!演技未経験とは思えない演技力で、「はすっぱ女」のヘイリーを魅力たっぷりに表現していきます。
モーテルのパープルやピンクに、鮮やかなブルーの空、そして空にかかった虹。どこか現実離れしたパステルカラーに彩られ描かれるのは、目を背けたくなるような、過酷な現実です。