真木よう子「うまくやる必要なんてない。自分が納得できる人生を選ぶだけ」
もちろん、間違うことが怖くてためらう時期もあったという。それでも恐れずにトライ・アンド・エラーを繰り返して、すこしずつ前に進んできた。そしていま残ったのは、取り返しのつかない失敗でも癒えない傷でもなく、みずからの手で人生を選んできたという確信だ。
どんな言葉が返ってくるかを知りたくて、尋ねてみた。
自分の選択を信じてやっていくのって、怖くないですか?
「えっ……そっか。私は誰かに任せたことがないから、逆に、任せるほうが怖い」
真木よう子は、すこし恥ずかしそうに笑った。
「『これをこうしたら、うまくやれるよ』みたいな言葉って、よく耳にするじゃないですか。でも、その『うまくやれる』っていう部分が、私にはなかなかしっくりこないんです。
だって、人生が終わるときに『私うまくやれたなぁ』と思って死にたいわけじゃないから。周りからは“失敗”とか“成功”ってラベルを貼られるかもしれないけど、本当は全部、自分が決めること。だから、最後に自分が納得して終われたら、それでいいんです」
うまくやろうなんて、思わなくていい。失敗してもそこから成長すればいい。何事もそうやってプラスに考えたほうが、きっと面白くなる、と言う。