私とあなた、私と社会、私と私――誰かと誰かをつなぐランジェリー「Albâge(アルバージェ)」
画家・池田蕉園の「夢の跡」
――その世界観を伝えていくために、工夫していることはありますか。
押しつけがましくなく、寄り添いながら広めていくこと……でしょうか。
あまりランジェリーのカルチャーが発達していないこの街で、どうやったらこういうモノに触れてもらえるかを、第一に考えています。
たとえば、デザインには欧米らしいテイストを残しながらも、日本人が手に取りやすい工夫をしています。パットのないブラでは、ダーツの縫製がトップに重なるよう調整して、さりげなく乳首を隠す仕様にする。エッジの効いたデザインでありつつも、日常使いできるスタンダードなアイテムを増やして、世界観と使い勝手が共存するように心がけているんです。
■「男/女」ではなくて「私/他者」の境界線を、やさしく越えていく
――「Albâge」はこれから、どんなランジェリーを生み出していくのでしょうか。
男女の性差を越えて、人生を引き立てるアイテムがつくりたいと思っています。たとえば、女性のランジェリーを男性がつけてもいいし、姉妹ブランド「Algesso(アルジェッソ)」のメンズ下着を、女性が履いてもいい。
男性性や女性性が強いことにも魅力はあるし、製品ではあえて明確に表現しているけれど、本当はそこに垣根がないんです。