私とあなた、私と社会、私と私――誰かと誰かをつなぐランジェリー「Albâge(アルバージェ)」
自分らしい世界観を失わず、だけどビジネスとしても成功するランジェリーをつくって、カルチャーを醸成していく。初めて立ち上げたブランドでも奮闘しましたが、未熟な私にはそのバランスが難しくて……一度は夢を諦めて、ランジェリーの現場から離れたんです。およそ1年半後にいまの「Albâge」を立ち上げるまで、まったく関係のないブティックで働いたりしていました。
■脆くて濃密な感情を乗りこなし、強く美しくなるための武器
――ふたたびランジェリーの世界に戻ってきたのは、何がきっかけだったんでしょうか。
やっぱり、自分の持っている武器は、大好きなランジェリーしかなかったんですよね。
以前の携わっていたブランドを離れたとき、信頼できる友人が「きっとふたりは合うと思う」と紹介してくれたのが、いま「Albâge」を一緒にやっている織田愛美でした。20代半ばで経験もない私たちが、どうすれば世の中と渡り合っていけるか――そのためには私たちのことを伝えてくれるブランドが必要だと感じて、もう一度ランジェリーで闘っていこうと決めたんです。
下着ってすごくセクシャルだし、色っぽいけれど、本当は衣類ですよね。
でも、私は衣類じゃなくて、アートとして下着を見ている。