私とあなた、私と社会、私と私――誰かと誰かをつなぐランジェリー「Albâge(アルバージェ)」
最初のブランドのときは自覚もしていなかったけれど……きちんとそこに共感してくれたのが、織田だったんですよ。
――よき理解者を得て、「Albâge」が動きはじめたわけですね。ブランドとして、「Albâge」が大切にしていることは何ですか。
まず、手ざわりはとても気にしています。吸いつくようになめらかで、着心地が軽いのが最高。蛇や石膏のように、しっとり冷たい湿度を持った質感が好きですね。
色遣いにルールはないけれど、生命力や毒っ気の強いカラーが多いです。だから、黒や赤が定番で、ときどきホワイト。
東京の暑い夏をイメージしてつくったシリーズには、モンステラの葉っぱみたいにさわやかなグリーンを使いました。
――デザインのインスピレーションは、どんなものから得ているのでしょう。
気に入った映画や絵画などをクリッピングするんですが、ほとんどは日本画ですね。
とくに、悲劇の女性を描いた美人画が好き。悲恋のすえに心中するとか、好きな男にふられて狂って江戸中を燃やすとか、美人画に出てくる女性って全然強くないんですよ。でも、大切なもののためなら破滅してもいいという脆さが、とても官能的。
ネガティブで濃密な感情から生まれる美しさはそのままに、その強い気持ちを乗りこなして、凜とした女性になれたらいいな、と思っているのかもしれません。