コード・レス・ドレス・コード 今日の自分を奮い立たせる古着たち
今の私のコーディネート
こんなふざけた意匠は、一世一代の告白をする日にこそ相応しい。
子どもの頃はコクハクといえば恋愛についてであり、そう頻繁に行うものではないと思っていたが、実は愛というジャンルに限らず本当に自分が思っていたことを口に出す機会は結構ある。
意を決して待ち合わせ場所に向かう。今日は一対一で話すので、お面はひとり置いてきた。そのかわりうんと熱狂的な装いだ。日常に終わりを告げに行こうとしているのに、大人しい格好をしていたって仕方ない。
歩くたびにビーズの束が揺れる。緊張に満たされた空気は「何、その服!」という最初の一言によって、いくらか和らぐだろう。
――前に着ていた人もいろいろあったけど、大丈夫。
そう言ってくれそうなお面とともに、私は喫茶店のドアを開けるのだった。
■コード・レス・ドレス・コード~私らしい、規定のない装い~
突然だが、私はドレス・コードという言葉を聞くと「イ―ッ!」となってしまう。
「かかとが見える靴は娼婦の象徴だから畏まった場には相応しくない」?
やめてくれ。私のかかとが何をしたというのだ。
と言いつつ、現実問題、結婚式にミュールを履いて行く根性はない。