主人公の光成はサーフィンが好きな少しやんちゃな男の子。ヒロインの恵理は成績優秀な優等生の女の子。そんな接点がなさそうなふたりがつながるのがセックス。
大人になると、理屈で男と女がつながるものではないこと、体から始まる何かがあることもわかっている。だから今読むと、狂おしいくらい真っ直ぐにセックスに向き合うふたりへの愛おしさや共感を感じます。
高校時代にこんな激しい関係性があったなら……と空想してみるのも愉しい。
ダイレクトな描写がかなり多いので、直接的に性的なファンタジーを持ちたい方におすすめです。
また、性描写だけでなく、ヒロイン・恵理の母性が垣間見られる様子も、セックスを知り、男性を愛したことがある私たち世代の琴線に触れることでしょう。
セックスの後、相手の男性の髪の毛をもてあそんだり、相手への愛おしさや内なる母性に気づいたことがある方には、ぐっとくる描写ではないでしょうか。
激しいセックスの描写も特徴的ですが、事後のけだるさと愛おしさの描写もまた、このように極上です。
■プレイボーイの“揺らぎ”を感じたい人へ。ミラン・クンデラ『存在の耐えられない軽さ』
直接的な描写度:★★★☆☆
「直接的な性描写は苦手……」