トマーシュはそれほど素敵な色男で、セックスの描写からしても魅力的なセックスをする男性です。
性愛的友情がけっしてアグレッシブな恋愛へと発展しないということを確実にするために、継続的に付き合っている愛人の誰とも非常に長いインターバルを置いてしか会わなかっった。トマーシュはこの方法を完全なものとみなし、それを友人の間で宣伝していた。「3という数字のルールを守らねばならない。一人の女と短い期間に続けてあってもいいが、その場合は決して三回を超えてはだめだ。あるいはその女と長年付き合ってもいいが、その場合の条件は一回あったら少なくとも三週間は間を置かなくてはならない『存在の耐えられない軽さ』(集英社文庫)18ページより引用
こんな男性と愛とセックスをかわす日々が人生にあったら、とても濃厚でスパイシーなのではないでしょうか。セックスの描写と愛がすれ違う様子に、想像が掻き立てられ、きっとあなたの中の女を覗かれるような気持ちになると思います。
また、冒頭は、「永劫回帰という考え方は秘密に包まれていて、ニーチェはその考えで、自分以外の哲学者を困惑させた」と始まるくらい哲学的なテーマを扱っていて、ニーチェなどがお好きな方はとてもぞくぞくする本でもありますよ。