■能動的なセックスを繰り広げる奔放な女に憧れる人へ。衛慧(ウェイ・フェイ)『上海ベイビー』
直接的な描写度:★★★★☆
過激な性描写により、99年の出版当時、中国で発禁処分になった文芸作品です。
性的に不能な恋人・天天を心から・プラトニックに愛する反面、ドイツ人の妻子持ちの男とのセックスを止めない自由な女ココが主人公。
主人公のココは、天天を深く愛していますが、妻子持ちの男との情事を止めません。まるで天天を愛し続けるために情事を続けるかのよう。そんな心と体のギャップを感じたことがある方は、とても共感されること間違いなしです!
あるときは公園で、あるときはクラブのトイレで……と、シチュエーションがとんでもないセックスをどんどん繰り広げます。
実際には寝室以外のセックスをするのは難しいですが、いわゆるシチュエーション萌えの方、あるいは、白人男性との情事を夢見る方は、とても空想を掻き立てられると思います。
ちなみに、こちらの作品は上のミラン・クンデラ『存在の耐えられない軽さ』のテーマをそのまま踏襲していて、引用もされています。
でも、文章としてはずっとずっと読みやすいので、クンデラに興味を持ったけれど哲学はちょっと……とか、もう少し直接的に性的な描写やファンタジーを楽しみたいという方におすすめです。