小学校に入ると求められる
「整理整頓」のスキル。通知表でも「身の回りの整理整頓」というような評価項目を目にするようになります。
しかし、学校では注意されたり、整理整頓スキルを評価されたりすることはあっても、整理整頓の方法はなかなか教わらないのが実情です。
そこで、子どもが楽しくできる片づけのコツを、整理収納アドバイザーの
カール友波(となみ)さんに聞きました。
『子どもがどんどん整理整頓したくなる! お片づけ帖』 永岡書店
■筆箱の片づけで、子どものやる気スイッチをオン!
小さな成功体験を重ねることで、子どものモチベーションがあがるのは勉強も片づけも一緒。まずは家や学校で毎日使う
「筆箱」で片づけの基本を身につけるのがおすすめだそうです。
たかが筆箱の片づけとはいえ、そこには片づけに必要なエッセンスがしっかり含まれているので、片づけ方をしっかり学ぶことができます。
片づけの基本は同じなので、筆箱の片づけで自信を持ったら、ランドセル、机の引き出し、本棚、おもちゃ、子ども部屋などのほかの場所の片づけへも進めていけます。
■STEP 1:全出し
まずは中身をすべて出すのは片づけの基本。筆箱の中に入っているモノを全部出して、何が入っているか確認しましょう。小さな空間でもゴミから宝物までいろいろ入っているかもしれません。全部出したら、筆箱をキレイに拭きましょう。
■STEP 2:仕分け
片づけで大切なのは、持っているモノを仕分けること。モノがあふれている現代の日本社会では「いる」「いらない」、「使う」「使わない」など自分で基準を設けてモノを分けるスキルは身につけたいところです。
おもちゃや本だと即決できなくて迷いそうですが、筆箱はスペースも限られ、本来入るべき「必要なモノ」は明確なはず。
筆箱に入っているモノを「筆箱にまた入れる」「処分する」「ほかの場所にしまう」の3つに迷わず仕分けることができれば、
「基準を持って自分のモノを仕分ける」スキルが身につく第一歩となります。
■STEP 3:正しい場所にしまう
モノを正しい場所にしまうのはやはり片づけの基本。仕切りのついているタイプの筆箱なら、迷うことなく筆記用具を筆箱にしまえます。この時に、「赤鉛筆は1番右」などとしまう位置を決めれば、いつも同じ場所に戻す練習にもなります。
このように筆箱の片づけをしていくと、片づけの基本が身を持って理解できます。小さなスペースに入っているモノの数は限られるので、飽きっぽい子どもでもやり遂げられます。
勉強に集中するためには、妨げになるモノを視界に入れないことも大切。筆箱の片づけで、整理整頓スキルが身につくだけでなく、勉強もより集中できるようになるかもしれません。
■わが子が「片づけられる子」になる! 4つのコツ
「モノを仕分ける」ことは片づけの基本ですが、子どもが自分のモノを仕分けられるようになるためのコツを教えていただきました。
コツ1:モノを仕分ける主導権は子どもが持つ
コツ2:モノをすべて出してながめてみる
コツ3:子どもに合わせた分け方を考える
コツ4:迷うモノのために「あいまいBOX」を用意する
おまけでもらうオモチャや子どもの作品など、ついつい親がこっそり捨ててしまったりしますが、ずっと子どものモノの管理を親がしていくのは無理な話。
小さな頃から
子どもが自分で判断できるように育てていくことが大切なのですね。そうすれば、片づけ以外のことの判断の練習にもなりそうです。
編集協力:
「子どもがどんどん整理整頓したくなるお片づけ帖」(永岡書店)
子どもが散らかしてばかりで部屋が全然片づかない…。そんな悩みをお持ちの方に向けて、子どもが自分から楽しく片づけをしてくれるようなノウハウを写真やイラストを多用してご紹介。
子どもが無理なく自然にお片づけができる “しかけ” を多数掲載しています。
カール友波(となみ) プロフィール
大阪芸術大学デザイン学科インテリア専攻卒業。整理収納アドバイザー1級。整理収納アドバイザー2級認定講師。子育てが一段落した後、大手家事代行会社のお片づけ部門を立ち上げ、様々なお客様のニーズに応えながら整理収納サービスに邁進。独立後、埼玉県内、都内、首都圏を中心に整理収納アドバイザー2級認定講座、「親子で学ぶおかたづけ」などのセミナーを開催。日本ではじめて生涯教育としてのお片づけ=「かたいく」を提唱し、普及に努めている。
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