連載記事:母が重たい娘たち
「私って、毒親?」と心配するママたちの原因は、“母”にある!?【母が重たい娘たち 第1回】
■重い母たちは不幸だった
ところで。「自分の母がイヤだ」と苦しんでいる女性たちの母は、どんな人だったのでしょうか?
まず、最初にあげられる特徴は、そういった母たちは、
不幸しか語らないということ。それによって、娘は「母の人生のカウンセラー」へと、選択の余地なく追い込まれてしまうのです。おそらく母はあたり前のように(何の罪悪感も持たずに)、自分の不幸を娘に語り続けてきたことでしょう。
母が不幸を語り続けることが、娘にとってどれほどおびえと緊張をもたらすか…。「その残酷さを思うと、『
“自分の不幸を聞かせ続ける虐待”という定義を新設してほしい』という(母との関係の悩む娘たちの)グループカウンセリング参加者たちからの要求に、納得してしまいます」(信田先生)。
■母と娘の間に起こっていることを理解するとは
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「母との関係に苦しんでいる娘」は、意外と多いものです。誰に、何を、どう相談して良いのかもわからず、一人で抱え込み、悩んでいる人もいます。また、母との関係に悩んでいる友人に、どう接すれば良いのか迷っている人もいるでしょう。今回の特集では、母との関係に苦しんでいる娘が、気持をどう整理していったら良いかについて考えてみます。
「一番大切なことは、知識を持つことです」(信田先生)。まずは、母と娘(自分)との間に起こっていた(いる)ことを、構造的に理解します。この理解がないと、感情が「母親が憎い」と「自分が悪い」の両極端に揺れ動いてしまうそうです。「じつは、メンタル的に一番キツいのは、気持ちが両極を往復することです。
これをやってしまうと、心が疲れて鬱(うつ)になってしまうこともあるんですよ」(信田先生)
次回は、「母と娘の間に起こっていた(いる)ことの構造」を、信田先生に解説いただきます。
■今回、取材を受けてくださった信田さよ子先生の最新作
『母・娘・祖母が共存するために』(¥1,512(税込)/朝日新聞出版)
子育て中のママにこそ、読んで欲しい!
母娘問題の第一人者が書いたメルクマール(指標)
信田 さよ子さん
臨床心理士。原宿カウンセリングセンター所長。駒木野病院、嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室を経て1995年に原宿カウンセリングセンターを設立。アルコールなどさまざまな依存症、摂食障害、ドメスティック・バイオレンス(DV)、子どもの虐待などに悩む本人やその家族へのカウンセリングを行っている。著書に『母が重くてたまらない』(春秋社)、『アダルト・チルドレンという物語』(文春文庫)、『さよなら、お母さん』(春秋社)『タフラブという快刀』(梧桐書院)『母からの解放 娘たちの声は届くか』(ホーム社)など。
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