■前回までの話
家計のプロである横山光昭さんによると、「家計費でここはまだ削れる」というところが2つあるといいます。ひとつは携帯代金。もうひとつは保険。どこに、どうやって情報を取りに行けばいいかが、わからない…。
そんな方はどうすればいいのでしょうか?
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「これからどんどん教育費かかるよね…でも少しでもお金削りたいなんて親失格かな…」そんな風に悩むママが多くいると聞きます。
全然、親失格なんかじゃありません! かえって「どんなに家計が苦しくても、教育費だけは削らない」などと、ママがひとりで節約を抱え込んで頑張る時代は終わりました。
今後、教育費のことをどんなふうに考えていけばいいのか? 6人のお子さんがいる「お父さん」でもある家計再生コンサルタントの横山光昭さんにお話しを伺いました。
横山 光昭(よこやま・みつあき)さん
家計再生コンサルタント、ファイナンシャルプランナー。株式会社マイエフピー代表取締役。お金の使い方を改善する独自の家計再生プログラムで、これまで24,000万件以上の家計相談を受けてきた。書籍・雑誌への執筆、講演も多数。
■習い事の辞め時シグナルを見逃さないためには
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楢戸:教育費について、横山さんはどんなお考えなんでしょうか?
横山:わが家の指針として間違いなくやっていることは、教育費について子ども自身とよく話し合って、
子どもの意向を聴くということです。
たとえば、大人もそうかもしれませんが、習い事は「やりたい!」と思った時点が、「やりたい気持ちがMAX」なんです。けれども半年くらい経ってみると、「思っていたほど、面白くないな」といったことってありませんか?
「習い事に、少し遅れて行く日がチラホラでてきた」…。そんなところに、
「習い事、辞め時のシグナル」は出ています。子ども側としても、「あれだけ『やりたい!』と言った手前、すぐに辞めたいとは言い出せないな…」と、思っている可能性もあります。「習い事の辞め時シグナル」を見逃さないためにも、子どもの意向を聞くことは大切です。
■習い事を始める前に親が覚悟すること
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楢戸:今の話のポイントとして「やりたい気持ちがマックスなら、やらせてみてもいい」というのは、ひとつ、ありますか?
横山:ただ親の都合で「お金がないから、途中で辞めさせる」というのは違うと思います。習い事を始める時には、親は
「月謝を払い続けられるかどうか?」をよく考えて、覚悟を持って通わせ始めないといけないと思います。
楢戸:そういった「家計の舞台裏」を、実際に子どもに話してみるというのはどうですか? たとえば「うちの家計は、〇〇円です。あなたの習い事代は〇〇円、1ヶ月の食費の1/4と同じくらいの金額がかかっています。お母さんも節約を頑張って月謝を払っているので、あなたの気持ちが変わったら早めに言ってね」といった感じです。
横山:いいですね!
お金の話を家庭内でする習慣があると、子どもの視点が違ってきますよ。たとえば、うちの中学生の子は、自分からこんな提案をしてきました。
「A塾は16,500円で、B塾だと19,000円くらいかかる。内容的にはB塾の方がいいので、少し高いけどお願いだから通わせて」と。本人が、塾の内容と金額の両方を見て、自分で選んでくれるのは助かります。
楢戸:子どもが
「自分で考え、選択をする」という場面は、尊重したいですね。そのためにも、「わが家のお金の話」を、幼い頃から子どもに話していく必要があると思います。
■「うちはお金がない」と言っていいの?
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横山:子どもにお金の話をする時に注意して欲しいのは、
「ネガティブな言い方をしない」ということです。「うちはお金がないから、〇〇できない」といった言い方だと、子どもは心配になってしまいます。
わが家でお金の話をする時には、「〇〇をするためにはどうしたらいいかなぁ? みんなで一緒に考えようぜ!」という“ノリ”で話をします。
楢戸:なるほど。ネガティブなトーンではなく、
「これを達成するために、みんなでやろう!」という明るいトーンで話をするのですね。「お金の話」をする時の大事なポイントです。
横山:子どもたちに家計をオープンにした副産物として、「いくら言っても水をジャージャー使っていた子が、歯磨きをする時は蛇口を締めるようになる」みたいな循環が、わが家では生まれています。