2015年11月30日 20:00
「アスティエ・ド・ヴィラット」デザイナーが語るフランスと日本--“偶然が生み出す物語”【INTERVIEW】
パリにこだわる彼らと日本のつながりとは?来日中のデザイナー、ブノワ・アスティエ・ド・ヴィラット氏に訊ねると、そこには意外な物語があった。
―― アスティエの陶器といえば白いアンティークな風合いですが、その「白」へのこだわりはどこから来ているのでしょうか?
僕はパリの美術学校で、多くの絵画や彫刻などの美術品を見ては模写し、どのような技法で描かれているのか学びました。昔からある作品から、多くの表現や技法を学んだのです。アスティエをはじめる時、陶器においても絵画における模写のように、伝統的な手法で一点ずつ作品を仕上げることにしました。その結果、アンティークのような風合いが出るのでしょう。
ただ、もともと白の陶器にこだわっていた訳ではありませんでした。この「白」との出会いはアクシデントと言ってもいいでしょう。ブランドをはじめたばかりの頃は、美しいオブジェを創作してメゾン・エ・オブジェ(パリのインテリア見本市)に出展したりしていました。
その時に、「普段使いが出来る作品」を作りたいと思い、試行錯誤した結果手がけたのがテーブルウェアでした。そのために、何かシンプルな方法はないかと考えて思いついたのが白い釉薬を使うことでした。