2015年11月30日 20:00
「アスティエ・ド・ヴィラット」デザイナーが語るフランスと日本--“偶然が生み出す物語”【INTERVIEW】
そんな時、偶然ニューヨークの展示会で出会ったのが淡路島のお香メーカーのものだったんです。フランス語も通じない、日本語しか話せないというのでなんとか通訳できる人を見つけて話をしてみると、僕らとの取り組みにとても前向きになってくれて。実際に淡路島にも行ってみたけれど、お香が伝統的な手法で作られていて品質もよい。ただ、日本の伝統的なお香制作過程に、フランスで調香したエッセンシャルオイルを配合するのには苦労したけれど、彼らが前向きなソリューションを提案してくれて、昔ながらのものと現代的なものをミックスして新しいものを作ることができました。このスタイルこそ、僕たちらしいスタイルだと思います。
―― 画家バルテュスの夫人、節子さんとも作品を生み出されています。猫のティーポットやインセンスバーナーなど「Setsukoコレクション」も今回展示・販売されていますが、アスティエは日本との関わりも深いのでしょうか?
僕自身は、学生時代に渋谷のパルコギャラリーでの作品展示のために来日してから、もう15回程日本に来ています。節子夫人とは、両親がローマのヴィラ・メディチで知り合いだった縁で出会ったのですが、バルテュス氏が大の猫好きだったことから、猫をモチーフにした作品も制作しました。