ピッティ・ウオモ編:メンズファッション、次の10年の流れを探るvol.2【2020春夏メンズコレクション総括】
ショー終了後、各国のECですぐに販売がスタートした。このシー・ナウ・バイ・ナウのスタイルは今後インディペンデントなブランドにとっての定石となるだろうが、ECバイヤーとリアル店舗のバイヤーたちの共存がトレードショーにどう影響を与えるのかは、このブランドがケーススタディになるのかもしれない。
中国で暴動騒ぎになったユニクロとコラボしたKAWSは、日本ではよく知られたクリエイターのため“今更”という思いも強いのがファッション関係者の共通する思いだろうが、グラフィティーに代表されるストリートのアートカルチャーは、ハイブランドにとってまだまだ宝の山の存在だ。今シーズン、ディオールが大々的にコラボに起用したダニエル・アーシャムなど、現代美術市場に籍を置くアーティストを起用してのマーケティングは、これまでのモデルやセレブに変わる2020年代のファッションビジネスのベースとなる可能性をはらんでいる。それは「下がらない価値」がキーポイントだろう。
トリはレニー・クラヴィッツ、
地元ブティック90周年のファッションスペクタクル
1年前のレポートで「フェス化するピッティ・ウオモ」という記事を書いたが、今回のピッティ・ウオモの公式イベントのトリとして最も大規模に行われたのが地元セレクトショップ、ルイザ・ヴィア・ローマ(LUISA VIA ROMA)