映画『ムーンライト』傷を負いながらも強く生きる黒人少年とその成長 - アカデミー作品賞受賞
アカデミー賞では、作品賞発表の際、間違ったタイトルが呼ばれてしまうという前代未聞のハプニングで会場は混乱。結果的には簡略化したスピーチをしたジェンキンス監督。彼は、シングルマザーの元育ち、また、そんな母も薬物中毒という貧困家庭で育った。夢なんてかなうはずないと自身を否定し、自分自身にリミットを設けてきたという。
そんな彼がアカデミー賞を受賞できたら…と次のようなスピーチを考えていたそうだ。
「この映画の元になった戯曲を書いたタレル・アルバン・マクレイニーと僕は“シャロン”です。僕たちはあの少年そのものなんです。『ムーンライト』を観たら、あのような環境で育ってきた少年が、大人になってアカデミー賞に輝く作品を作るとは誰も思わないでしょう。
僕も自分についてそう繰り返し思っていました。自らの夢を抑え込んで、否定してきたんです。周りに否定されたわけではなく、自分自身が。だから僕たちに自分を投影している人は、これを機に自分自身を愛して。なぜなら、そうすることによって夢を見るだけでなく、許されないと思っていた夢を実現できるかもしれないからです。」
助演男優賞を受賞したマハーシャラ・アリは次のようにコメント。