くらし情報『【連載小説】理想じゃない恋のはじめ方。(第4話)』

【連載小説】理想じゃない恋のはじめ方。(第4話)

『しおちゃんが悲しいと、俺も悲しい』って、私よりも泣きそうな顔をしている大和が。



ギャップ萌え

【連載小説】理想じゃない恋のはじめ方。(第4話)


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「――――ん……、あれ」

どうやら眠っていたらしい。

ぼんやりとした視界がはっきりしていくにつれ、違和感を覚える。

ここ、私の家じゃない。一体、どこ……。

半分寝ぼけながらも、寝返りを打って驚いた。

「え?大和!?」

目の前には、スヤスヤと眠る大和の顔がある。

驚きのあまり固まっていると、長い睫毛がピクリと動いた。


「……しおちゃん、もう起きたの」

「起きたよ、起きた! ねぇ、これどういう状況?」

「どういうって、見たまんまだけど」

大和は、んんっ!て、伸びをしながらあくびをする。

それから私の顔を見て、ふにゃっと笑った。

「寝起きのしおちゃん、可愛いね」

「何を言って……」

やめてよ、不覚にもドキッとしちゃったじゃない。

「もしかして、ここって大和の家?」

「そうだよ」

へぇ……。

黒で統一された家具や家電に、お洒落なインテリア。

部屋の奥にある本棚には、分厚くて難しそうな本が並んでいる。

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