くらし情報『【連載小説】理想じゃない恋のはじめ方。』

【連載小説】理想じゃない恋のはじめ方。

「全然すごくないのに」

「すごいですよ。私たちの目からすれば…。いつも凛とされていて、憧れです」

「ありがと……」

「でも、最近、雰囲気が柔らかくなったよねって、みんなで話していたんです」

「そうなんだ」

「何か心境の変化があったんですか?」

心境の変化か……。変わったことがあるとしたら、大和かな。彼と一緒にいるうちに、考え方や物事の捉え方が少し変わったと自分でも思う。

「これまでの先輩も好きでしたけど、私は今の先輩の方が好きです」

面と向かって言われると照れる……でも、嬉しい。

「ありがとう」

「どういたしまして」

おどけたように言った旭日は、「さぁー!残りの仕事を片付けるぞ」と気合いを入れた。



会いたい

会いたい


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出張、当日の朝。
東京駅へ向かうタクシーの中で、スマホの画面を覗いては落胆する。実は昨日の夜、大和に電話をかけてみたけど留守電になっており繋がらなかった。

手術中は留守電になっていることが多く気に留めなかったけど、朝になっても折り返しがこないのは初めてだ。出張に行く前に、大和と話がしたかったのにな……。

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