職人「プロにとっては消耗品」 話題の『あのキッチン用具』について聞いたら、驚きの連続!
ところが、山田工業所の場合には、鉄板の厚さ、鍋の深さ、鍋の径などを指定すれば、職人の経験と技術ででき上がってしまうのです。
そのため、「特注で」となると、山田工業所の出番。山田代表取締役によると、同社の技術を求めて「特注品のオーダーも結構ある」とのこと。
取材時には某チェーン店から特注された1.6mmの鉄板を2枚重ねて打った皿を見せてもらいました。鉄の蓄熱性に注目した特注品で焼き物が冷めにくいようにというものです。
プロが愛用するにはワケがある
丹念な打ち出しによって、まるで日本刀の鍛造のように鉄を頑丈、堅牢なものに変質させるとのこと。
山田代表取締役にうかがったところ、「鉄というのは、分子が縦に積み重なった構造になっていて、叩いてやると密になり、薄くしてももろくならない」とのこと。これが山田工業所の中華鍋が堅牢な秘密です。
何千回、何万回とハンマーで叩くので、目で見えるほど鍋に微妙なくぼみを生みます。このため、食材がこげつきにくくなるとのこと。
プロの料理人から「食材離れがいい鍋」「調理しやすい」と評価されるのは、叩いて作っているからなのです。
また、持ってみると、ほかの中華鍋と比べて軽いことにも驚きます。