自然を感じられる場所で、静けさを味わう時間を持つこと
人それぞれの感性の世界で遊んでほしいなと思うのです。
誰とも話をせず、情報を知ろうとせず、ただただその場の静寂に身を沈め、大きな窓の向こうに立つヒマラヤ杉をぼーっと眺めてみて下さい。
頭の中のおしゃべりをやめて、ただただ、その場にいることを感じる。心を空っぽにする時間です。
唯一展示されているのは、建築デザインをした内井昭蔵氏の言葉です。
「私は、宇宙そのものが非常に装飾的だと思う。つまり、宇宙の構造に美を感じる。
地球の回りに月があり、地球が太陽系の中で回っているという、一つの大自然の秩序は物理学と同じで、その秩序感に美を見出すことができる」
「今日の建築に魅力がないのは建築から自然のメッセージが消えてしまったからである」
今、世界はこれまでの日常を送れない状況になっています。来年、再来年、この日常がどうなっているかはわかりません。
私たちは今、エアポケットのような時間の中にいるように感じます。自然を感じる場所に身を寄せる。自然とつながることは、自分自身とつながること。なぜなら、私たちも『自然』の一部だからです。
『作品のない展示室』は8月27日までの開催ですが、何もないことの豊かさを意識する時間、遠出をせず自然を感じられる場所で静けさを味わう時間を持ってみて下さい。