その日感じたことを五行詩に 新しい扉を開く鍵になる
五行詩は世界観をぎゅっと凝縮し、行間にふくらみを持たせるように書く…と私は考えます。また、余韻をとても大切に。
そこには文字数が制限されている歌詞に通じるものがあります。
歌詞は伝えたいこと、描きたい世界を音数に合わせて書きます。伝えたいからと言って説明的な言葉だと、歌から離れていきます。
歌詞も行間にふくらみを持たせ、説明しなくてもその世界を感じとれるように書くことが求められます。
また五行詩にはそれぞれのリズムがあり、声に出して読んでみるとよりしっくりと心に入ってきます。古来、和歌を嗜み親しんできた日本人には、馴染みのある言葉のリズムがあるのです。
大学で担当している作詩研究のクラスで、毎回五行詩を書くことを取り入れました。学生たちは、前期の初めの頃は長々とした五行詩を書いていましたが、後期に入ると心と思いと言葉の中に宇宙を見いだしかのようにぎゅっと凝縮された詩を書けるようになってきました。
時代の空気感をそれぞれの内面に映し出した世界がそこにあります。それは、世界を、自分を『見つめる目』が変わってきたことを表しているのです。
この変化が作詞にどう現れるか、それは後期の試験の楽しみでもあります。