宇宙の時の流れの一雫にも満たない時間を生きる命の重さを、しみじみと思う
吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
星空の片隅で
1日の長さは、1年に0.000017秒ずつ伸びている。月は1年に3.8㎝ずつ地球から遠ざかっている…ということを、多くの人は知っているのだろうか…。
と、冒頭から疑問を投げてしまいましたが、0.000017秒など感じられない時間とは言え、私が(これが1年)と思っている長さが不変のものでなかったのは、結構な衝撃でした。
物理学者の全卓樹は著書『銀河の片隅で科学夜話』(朝日出版)の中で、1日の時間が延びるのは、毎日の潮の満ち引きのときに海水と海底の摩擦が起こり、これが地球の自転を遅らせている原因だとつづっています。
そして月はその反作用で地球から遠ざかる…そして500億年後、1日は45日ほどの長さになるらしい。