Twitter発信で売上1000倍!京都の螺鈿職人が語る螺鈿の魅力と奥深さ
当店では、まず漆器や木地に漆を塗ります。
漆がのりの役目になるのですが、漆の上に貝をのせたら、更にその上に漆を塗ります。つまり、漆と漆の間に貝が挟まれている状態。
そして貝の上の漆だけを研磨して取っていきます。これを繰り返すと表面が均一になり、貝以外の漆器部分には漆の分だけ高さが出るので、見た目には『漆器に貝がはめ込まれている』ように見えるのです。
――漆と漆の間に貝を挟んで研磨していく作業はとても大変そう…。
細かな作業を行う野村さん
職人泣かせの手間がかかる作業です。商品のグレードによっては、1つの作品に60~100の工程があり、完成までに3か月かかるものもあります。
比較的安いものは木地の塗りを簡素化するなど、グレードに合わせて工夫し、工程を変えています。
――螺鈿作品を製作するにあたり『嵯峩螺鈿野村』でこだわっていることは?
野村さんの父の作品『螺鈿大棗華七宝』。数十枚の貝を使用して鮮やかな色味を出している
通常は1種類の貝から色を切り取りますが、うちでは5種類の貝を使っています。
日本の貝か、海外の貝か。また貝の種類によっても色味や輝きが全然違います。ビビッドなマゼンタピンクだったり、淡い優しいピンクだったり。