暴力をふるう子や、片付けが苦手な子 短所は『直す』のではなく…【きしもとたかひろ連載コラム】
そんな子はいる。
二度としちゃだめだよとお願いのような脅しのような約束をする。けれど、また同じことを繰り返してしまう。
少しずつ、その子は「そういう子だ」と周りからラベリングされていく。そうして自分でもダメな人間なんだと思ってしまうようになる。
怒ったり、泣いたり、感情を表出することは悪いことではないから、咎めるだけではなく、その子を否定しない方法で支援をすることが大切だ。
その子を変えようとすると、その子もこちらもしんどくなっていく。本人が感情をコントロールするのが苦手な場合は「がんばれ!」という励ましよりも、「よくない」とされる行動を起こさなくていい環境をつくる方がその子にとっては援(たす)けとなる。
けれど、それでもうまくいかないときはある。そんな時は本当にこの支援の方法であっているんだろうか?と不安になる。
むしろ解決からは遠ざかっているんじゃないか?悪化しているんじゃないか?
悩んで進めば進むほど、どんどん理想からは離れていく。やっぱり無理なんじゃないか。そんなことを思いながら、諦めそうになる。そんなことばかりだ。
この連載のどこかで、問題は全て無くそうとせずにその都度ひとつずつ解決していく、という話をした。