2018年10月25日 16:00
寝たきり母を介護し「うつ」状態に…安藤和津支えた家族の奮闘
その後「要介護5」と寝たきり状態になってしまったのだ。
「当時、映画製作に進出した夫が、お金をだまし取られて負債を抱え、家計はどん底でした。介護費に加え娘たちの学費もかかる。心身ともにボロボロの私でしたが、仕事しないわけにはいかなかった」
幾重にも降りかかる困難。ある日、庭の木を眺めながら、「あの木で首をつったら楽になるって、毎晩のように思っちゃうのよね」。そうつぶやいた安藤さんを心配した娘たちが家族会議を開き、「お母さん、それはヤバい」「お母さん、変だよ」というほど、追いつめられていた。
その後、心療内科で「介護うつ」と診断されたが、処方された薬のうち服用したのは最低限の睡眠導入剤だけだったという。
「よく、『いつごろからうつだったんですか』と聞かれるんですが、それがハッキリしないのも、うつです。
母の病気も自分のうつも、現実を受け入れたくない思いで蓋をして、後手に回ってしまった」
当時のことは断片的にしか覚えていない。
「仕事の打ち合わせ中に急に涙が止まらなくなったり、生放送でまったく言葉が出てこなくなってしまったり。収録にも、何度も遅刻してしまいました。料理をつくろうと冷蔵庫を開けても、ハンバーグも生姜焼きも、どんな手順でこしらえるのか思い浮かばず……」