くらし情報『犯罪や非行に走った少年少女120人以上を癒した「更生カレー」』

2019年2月14日 11:00

犯罪や非行に走った少年少女120人以上を癒した「更生カレー」

と子どもたちが中澤家の団地を訪ねてくる。中澤さんにとって、保護司は当たり前な日常の延長にすぎなかった。そればかりか、ときには、子どもだけでなく、その親の面倒までみてしまうのが、中澤さんだ。

第1期生の1人、タカシさん(仮名・当時17)は、小2のとき、一家で中国から移住してきた。両親は日本語が片言しか話せず、母親が作る料理はギョーザばかりだった。「そんな家に帰りたくない」と、暴走族に入ったタカシさんの話を聞いて、中澤さんはこう思った。

「タカシ自身は、とても優しい子。彼だけじゃなく、家族も一緒に変わっていかなければいけないな」

そこで、タカシさんの母親との面談の日には、「タカシの好きな料理を、まず、5つ覚えましょうね」と、台所で一緒に料理を作ることにした。
タカシには、「この間、お母さんと卵焼きを練習したんだよ。作りながら、あんたのこと心配して、泣いてたよ」と伝えた。

面談を続けるうちにタカシさんの心もほぐれ、家族と一緒に食卓を囲むようになっていった。「家族との関係は絶対に大切です。家族、学校、地域。みんなが協力し、変わらないと、子どもはよくならないんです」

そう考えた中澤さんは、地元の小中学校や児童館と情報交換をし、朗読のボランティアを始めている。

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