2019年2月15日 11:00
「被曝に関するウソあり」東大名誉教授論文を先輩学者が指摘
「彼らは自ら、参加者が登録された住所に住んでいたか、ガラスバッジを正しく装着していたか不明である、と論文の限界を認めています。にもかかわらず、そうしたことは論文の結果に大きく影響しないと“信じる”と言っている。物理学の論文で“信じる”などというあいまいな言葉を使ってはいけない。それに、結果に“大きく影響しない”というなら、“大きく”の誤差が、もとの3倍なのか5倍なのか、その数字と根拠を示さないといけません」
そして論文の問題点をいくつか指摘してくれた。
「伊達市民の個人線量と航空機調査による空間線量率との関係を示した、第1論文の図4(この記事では図A)を見てください。左から2番目に薄い黒丸だけの部分があります(1)。これは、統計において大きく外れた値のことで、ここでは99%以上の人の被曝線量が、ゼロ(不検出)だったことを示しています」
5千人いたら4千950人の被曝線量がゼロというわけだ。
こんなことは統計のゆらぎでは説明できないほど起こる確率が小さい。
それなのにこのようなところが3つもあるのは、何らかの解析過程での誤りがあることはほぼ間違いがありません、と黒川さん。
「先のようなおかしなところはいくつもあり、それらは結果的に個人の被曝線量を過小評価することになるのは間違いない。