2019年3月7日 11:00
藤真利子さん明かす「母の私の介護を支えてくれた恩人たち」
現在の日本人女性の平均寿命は約87歳。いままで、80代と50代が多かった母娘間の介護も、高齢化によって90代と60代まで上がっている。そんな“90歳を超えた老母の介護と看取り”を当事者が自らの経験を語る――。
「ごめんなさい……母の姿を思い出すと、いまでも涙が出るんです」
涙がその頬を伝ったのは、女優の藤真利子さん(63)。直木賞作家の藤原審爾(’84年没)を父に持ち、映画『薄化粧』『吉原炎上』など数々の名作に出演してきた藤さんは、’16年11月7日、脳梗塞で倒れた母・藤原静枝さんを11年の介護の末、自宅で看取っている(享年92)。丸2年を経ても、晩年の母を思い出すと涙が出るという。
「在宅介護しか選択肢がないなか、仕事をセーブしてまで介護して母を看取った経験を、私は『恵まれている』とさえ思う。みんながみんな、機会があることではないからです。
だから、介護がつらいだなんて思ったことはなかった」
そう気丈に話す藤さんだが、介護生活のあいだはやはり、心労がたたっていたのだろう。
同じく母を看取っている友人で作家の林真理子さんは、親身になって相談に乗ってくれた。