2019年3月7日 11:00
藤真利子さん明かす「母の私の介護を支えてくれた恩人たち」
その林さんに、最近になって、こう言われた。
「あのころのフジマリちゃんは、女優の顔をしていなかった」
弱り目の藤さんに寄り添ってくれる友人は、ほかにもいた。
「ユーミンは、ご夫妻で励ましてくれました。生前、コンサートに行くのが、母の楽しみでもあったんです。それから、安藤加津さんには、母の介護のアドバイスをいただいた。介護って母と娘だと“密室”になってしまうものだけど、私はそんな、見守ってくれる存在に恵まれたんです」
’17年には介護体験を綴った『ママを殺した』(幻冬舎)を出版した。冒頭で「喪失感」を吐露した藤さんだが、いまも自宅では……。
「介護生活のときと同じように、介護ベッドがあったところに母の遺影を置いて、私は横に布団を敷いて寝ているんです」
一方、母の形見として「ひとつも捨てられなかった洋服」は。
「火事で家が全焼してしまった近所の友人に、緊急の暖として、ごっそりあげちゃったんです」
そうして自然な形で“卒介護”にシフトするいま、あらためて、介護経験を振り返って話す。「一人娘の私を女手ひとつで育ててくれた母は、私のなかで“絶対に死なない存在”でした。それまで私のライフプランには、『母を介護する』というのがなかったんです。