津川雅彦さん 朝丘さん逝去後、娘の結婚相手へ告げた言葉
は根が明るく、打たれ強い性格なので、全然メゲませんでした。私にとっては“父がいちばん”なので、結婚には父の許しが必要だと思っていました。彼もそれは理解してくれていて、何回も挑戦し、そのたびに父にNGを出されてしまいます。たとえばこんな“ひっかけ問題”もありましたね。『そもそも、お前は真由子と結婚したいんだろ。俺の許可が必要なのか?』との父の問いに、『(黙考)……いえっ、私は真由子さんを愛しているのであって、お父さんの許可は必要ありません』と答えると、『じゃ、なぜここに来た』って」
生前の朝丘さんは彼を気に入ってくれていて、『あんなにケチョンケチョンに言われても諦めないんだから、すごいわよね』と、妙に感心していたそう。
「そんなこんなで交際も10年以上たっていたのですが、母の他界後、私の気持ちも察してくれたのか、彼が「こんなときだけど、お父さんにもう一度チャレンジしてみたい」と、言ってくれたのです。しかし父に会ってみると、やっぱりお説教が何時間も続いて……。
最後の最後でした。父の『付き合いも長いし、もう真由子はいい年だ。それでも娘と結婚したいのか』との問いに、彼が『真由子さんは、私にとって死ぬまで一緒にいたいと思える人なんです』と答えると父が彼に手を差し出して、『娘をよろしく』と――」