2019年6月8日 11:00
渡辺えり 認知症両親の介護明かす「する側の人柄で症状変わる」
山形には弟夫婦が住んでおり、下着の替えやさまざまな手続きは弟夫婦にやってもらっているので助かっているそう。
「切ないのは毎月帰っても、『ほんとに久しぶり!』と言ってくること。父は2日続けて行ってもそういう感じなんです。こないだも、外に車いすを押して行ったらすごく喜んでくれて。つらいのは、父も母も帰るときにすごく悲しい顔をするんですよ。『帰らないでくれ』って」
父親が入居している施設は広く、介護士たちはみんな朝から晩まで立ち働いている。
「たくさんいるから私の父の部屋を尋ねても知らないんですね。交代でやって広いから仕方がないですが。
父は教師だったので『学校みたい』とか言うんですよ。心配になって『大丈夫?』と聞いたら、軍需工場で働いていた当時と重なって、『1人で寮に入ってたんだから、今も我慢できる』って。我慢っていう言葉が出るのは正直切ないです。年とったら、自宅で多少、だらしなくしたいじゃないですか。でも集団生活だとそれが規制される。自分が認知症になったら耐えられるかなとか思ったり。ずっと苦労かけっぱなしでこうなっちゃったと思うと、やりきれないですよね」
痛感したのは、介護する人の人柄で症状が変わるということ。