元ひめゆり学徒・島袋淑子さん「“戦争は絶対ダメ”と言えるように」
’15年からは、この6人の負担を減らすため、体験を語る回数を減らしている。資料館で島袋さんが証言に立つのは、月に2回だ。
《自分たちの味方でさえも見殺しにする、それが戦争です。私自身も、目の前に転がっている死体をまたいで水をくみに行きました。よけようとして回り道すると、弾が飛んできて当たるかもしれないからです。戦争は、人間を人間でなくします。だから、みなさんは、戦争は絶対ダメ!と言える大人になってください》
子どもたちを前にすると、島袋さんの口調は、自然に熱を帯びていく。
学徒隊の生き残りが少なくなっていくなかで、こうした貴重な体験を、次世代にどう伝えていくのか。
「いま説明員を務める方々は、学生時代から戦争と平和について研究を続け、卒業したらここで働きたいと思ってくれた。それは本当にありがたいことです。私以上に戦争について研究してくれているので心強いと感じています。戦前のことを思うと、私はただ国の言うことを信じていましたので、反省するんです。だからこそ、今度、平和憲法が変えられたりして戦争の準備が始まったら、そのときは、私は牢に入れられても、ダメだと言い続けます。それが、戦争を体験した者の責任です」