お客さん置いてきぼりの“吉本劇場”内紛に感じる気持ち悪さ
しかし視聴者としては解せないと思うことも多いでしょう。だってスタート時の反社会的勢力との関係について、今やほとんど触れられていないのですから。
反社会的勢力の問題に多くの芸人さんが触れないのには、それなりの事情があるのでしょう。それを飲み込むほどの勢いで企業体制について話題となるのはそれだけ吉本という会社が昔ながらの体質で動いていた会社であり、それに不満だった人や今後を憂いている人が多かった証拠。彼らからすると“今だ”ということなのでしょう。
ただそのやり方はどうなのか。そもそも“家族経営”といわれるなあなあな関係性が問題とされているように松本人志さんも加藤浩次さんも、抵抗勢力のように見える人たちの言い分も最終的には“俺について来い”的なノリを感じます。
そしてメディアを通じて、それぞれが誰派かを求められるこの状況。
正直、吉本がいう“家族経営”と似たような空気を感じずにはいられません。芸人というのは恩義なども関係する縦社会。ですからある程度は誰を慕い、誰についていくのかは大事なのでしょう。それでもこの不確かな段階で問われる誰派なのかみたいな空気は、ただただ気持ち悪い。
スクールカーストや仲良しグループのような……そんな腹の探り合いの空気を、それもテレビやニュースで連日見せられるこの状況。