くらし情報『海老名香葉子 焼け跡から家族の遺骨がみつからず…明かす原点』

2019年9月23日 11:00

海老名香葉子 焼け跡から家族の遺骨がみつからず…明かす原点

「疎開中にもらった手紙には〈淋しくなったら、東京の空に向かって『父ちゃん、父ちゃん、父ちゃん』って3回呼んでごらん〉とありました。親戚の家でつらいときも、その手紙だけが頼りでした」

『ことしの牡丹はよい牡丹』(’83年)や『うしろの正面だあれ』(’85年)などのエッセイや講演で自身の孤児体験をつづりながら、平和の大切さを訴え続けてきた香葉子さん。

その思いが一つの形となったのが、’05年に上野公園内に建立された「時忘れじの塔」であり、3月9日に毎年行っている東京大空襲の犠牲者を慰霊する「時忘れじの集い」であった。

「私は、政治的なことは、よほど詳しく勉強しないと語れないと思います。ただ、戦争をしてはいけないという同じ思いがあれば、国籍も宗教も関係ないと思うんです。現に、『時忘れじの集い』には、さまざまな立場の人が集まります。忘れることがいちばん恐ろしい。なぜなら、忘れてしまったら、また過ちを繰り返すから。
今はボタン一つで戦争ができてしまう時代。だからこそ、みんなで考え、語り、伝え続けて行くことが大事。たしかに、最近の若い人は昔ほど手はかかりませんが、ちょっとおとなしすぎるかな。

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