2019年10月11日 06:00
相手のやる気を引き出す「ほめる→アドバイス→ほめる」の会話
を満たしてあげる必要がある。
「私たちの感情は、本能的な欲求と密接につながっています。アメリカの心理学者のマズローによれば、その欲求は5つ。生命維持のための『生理的欲求』、体と心の安全を守りたい『安全の欲求』、他者と関わりたい『所属と愛の欲求』、他者から価値を認められたい『承認欲求』、能力を発揮して創造的な活動をしたい『自己実現の欲求』です。このうち、『安全の欲求』と『所属と愛の欲求』は安心感、『承認欲求』は、自己重要感という感情で満たすことができます」
星さんが考案する会話術は、どのタイミングでどんな伝え方をすれば、相手にこの2つの感情を与えられるのかを、科学的な根拠に基づきマニュアル化したものだ。
「職場で後輩にミスがありアドバイスするとき、頭ごなしに命令しても相手は動いてくれません。まずは相手に耳を傾けてもらい、アドバイスを聞き入れる態勢を整えてもらう必要があります」
そのためには最初に「ほめる」のが有効。なぜなら、人間は自分をほめてくれる人に興味を持つからだ。
たとえば、PTAで保護者に役員名簿など書類を作ってきてもらった際、ミスに気づいたときには。
「相手のミスに気づいて書類を作り直してほしくても、最初から触れず、まずは仕上げてきてくれたことに感謝を表し、『あなたのおかげで予定どおりに配布できる』という部分をほめましょう」