2019年10月11日 06:00
相手のやる気を引き出す「ほめる→アドバイス→ほめる」の会話
次はアドバイスだが、相手のミスを直接正すなど、否定的な言葉は避けたい。ポイントは「相手が自分で気づいた」と思わせる状況を作ることだ。
「米イリノイ大学の実験によると、相手に何かしてもらいたいとき、疑問形で依頼したほうが平均して1.5倍、相手のパフォーマンスが上がると証明されています。『念のため、確認してみませんか?』と疑問形で促して、うまく相手の行動をコントロール」
そして最後にもう一度、誤字に気づいたことをほめて締める。
「人には出来事の最後の印象に左右されるメカニズムがあります。相手が自分のミスに落ち込んだまま、あるいはこちらの指示で話が終わると、次の行動を起こすモチベーションが湧きません。最後にもう一度ほめると自己重要感が満たされ、ミスの改善にも前向きに取り組むようになります」
相手が自分の思いどおりに動いてくれたら、時間差で何度もほめる方法も有効だ。例にあげた、PTAで役員名簿など書類を作ってきてもらった保護者に、ミスを「自分で気づいた」と思わせる状況を作り、すぐに書類を修正し、次のPTAの会合での配布に間に合った場合。
「1回目は、名簿を受け取った直後。2回目は、会合が終わった後、3回目はその日の最後にLINEなどのメッセージで伝えます。