2019年10月28日 11:00
新朝ドラヒロイン“モデル”女性、長男の白血病で決めた覚悟
を結成、ドナー探しと募金活動を開始した。さらに市民団体などが協力し、「神山賢一君支援団体連絡協議会」も発足。2つの団体は賢一さんだけにとどまらず「ほかの患者のドナーも探そう、骨髄バンクの早期実現を訴えよう」と運動を展開。その様子は連日、マスコミをにぎわすほど、大きな広がりを見せた。
そして、母は息子にこう伝えた。
「人は生きてる間に何を残すかや。賢一くんには陶器がある、動ける間は作れ、手伝いは私がする。それとな……たくさんの白血病の患者さんがいて皆、泣きながら闘病しとる。
その人たちのためにも賢一くん、先頭切って走らんと」
母子は、運動を広めるため全国でチャリティ展を開いて、各地で骨髄バンクの必要性を訴え続けた。そのかいあって、わずか4カ月で約3,000人のドナー希望者が集まった。しかし、賢一さんと適合するドナーは見つからなかった。
「いまは国が負担してくれる血液検査の費用も、当時は個人負担やった。『救う会』が払えんようになって解散した後も、私が全部、作品を売ったお金で払ってた」
翌’91年1月には、東京で「骨髄バンクと患者を結ぶ会」が結成され、賢一さんが会長に就任した。母子は骨髄バンク運動の先頭を走り続けたが、同年6月、賢一さんは高熱を発し再入院。