ただ、今振り返ると、当時は何がダメだったのか、なんとなくわかったりもするんです。時代の風潮だったり、タイミングだったり、いろんなものがハマらないといけないんですよね」
ふだんはなかなか見られない映像業界の裏側を描くストーリー。きっと多くの人が興味をそそられるだろう。さらに満島は、映像業界に限らず、働く人であれば誰でも、共感し胸を揺さぶられるはずだと話す。
「見てる人が『へえ、映像業界ってこんな感じなんだ』というだけで終わったら絶対に嫌だなって。だから、これは映像業界だけの話じゃないぞって、僕自身が常に意識して演じていましたね。とくに僕と同じ30代に差し掛かった世代の方は特に、会社のなかでも自分の立場がつかみづらい環境にいると思うんです。5年前にはまだ新人っぽくいられたのにとか、あと5年経てばもっといろいろ任せてもらえるのにとかね。
そういう微妙な気持ちを抱えてる人たちには、ぜひ原点回帰をしてもらいたい。このドラマをきっかけに、なんで自分がそれをやりたいと思ったのか、本当に好きなことは何なのか、もう一度問い直してもらえたらうれしいです」
彼が演じた若林は、中谷演じるハルの何気ないひと言で、情熱が再燃する瞬間があるというが、満島自身にもそんな経験はあったのだろうか。