2020年5月23日 11:00
留学断念は妻のため!?『エール』モデル作曲家の意外な素顔
他のファンレターには見向きもせずに名古屋に住んでいた金子さんにだけは返事を書いたんです。
その中身を抜粋すると、『お写真を前にしてお手紙を読むと、貴女のそばにいて、お話をするようです。そして、あなたの手紙から貴女のお匂いが感じられます。確実に。本当に貴女の側にいるようです』『自分が生まれて以来、経験したことのない精神上の苦しみ恋のもだえ、自分一人で苦しみ、自分一人で、なぐさめてました』といった熱烈なものでした」
ドラマでは恐慌による不況のため渡英をなくなく断念することになった裕一だが、実際は古関さんの金子さんへの“大きすぎる愛”が原因だったようだ。
「入賞し、ロンドン留学の切符を手にしていた古関さんは旅費や諸経費として当時400ポンドの送金をイギリスから受けていました。ロンドンフィルが古関さんの書いた曲をレコーディングしてくれるという契約でしたから。でも1年間の渡英予定が結局金子さんへの思いが募りすぎて断念してしまうんですよ。
この時期、日本ビクターがこのロンドンフィルの曲を日本で発売するという話もあったのにです」
結局、古関さんは文通を始めた半年後に金子さんと結婚。しかし、イギリスから送られた400ポンドの返済が残っていた。