コロナ禍の住宅ローン問題、家計持ち直したら“再度見直し”を
■ある時期だけ、毎月の返済額を抑える
コロナ禍で収入の減少が一時的なものだとしたら、たとえば1年間といった短期間、返済額をぐっと抑えるものです。とはいえ、毎月の返済をゼロにしてくれる銀行はほとんどありません。返済を半額に減らす、元本の返済はゼロにして利息のみを返済するなどの方法があります。
では、例をあげて見てみましょう。Aさん(40歳)は10年前、2,000万円を金利2%、35年ローンで借りました。ボーナス払いはナシで、毎月の返済額は6万6,252円です(住宅金融支援機構フラット35〈ボーナス払いナシ・元利均等方式〉で試算)。
Aさんの例で11年目の1年間だけ利息のみの返済にした場合、11年目の利息は月2万5,308円。利息のみの返済にすると、毎月の負担は約4万円抑えられました。
12年目からの返済額は毎月の6万8,378円となり、収入が持ち直していれば問題ない金額でしょう。
ただ利息のみの返済では元本は全く減りませんから、1年間余計に利息を払ったことになり、その分、総返済額は約12万円増えます。負担の増加が少ない印象ですが、利息のみ返済の期間が長くなると、利息ばかり払って元本が減らず、いつまでたってもローンが終わりません。